駒鳥です。
世界的に、新型コロナウィルスの感染拡大が話題となっています。
中国では武漢の封鎖処理も行なわれ、日本国内でも感染者が数名確認されている状況です。
こういう時に必ず現れるのが、SNS上でのデマやフェイクニュースです。
2020年1月30日時点で、すでに多くのデマ、フェイクニュースが拡散され、また同時にファクトチェックも行なわれています。
今回のエントリでは、今回の新型コロナウィルス騒動において、どんなデマやフェイクニュースが出回っているか、またそれに対してSNS上でどのような反応が取られているかを整理していきたいと思います。
(この記事は、SNSで話題になったデマやフェイクニュース、ファクトチェックの様子をまとめたものです。今後追記することもあります)
スポンサーリンク
トレンドに上った「USJと京都」
1/24日、突如Twitterでトレンドとして現れ話題になったデマがあります。
それは、
「中国、武漢からの観光客が、新型コロナウィルスの症状があり病院に搬送されたが、病院から脱走し、USJと京都の観光に向かった」
という内容。
この話題が颯爽とトレンドに登場するも、ソースは日本の報道などではなく、中国版Twitterとも言われるWeiboでの投稿。
「武漢から到着した中国人観光客に熱と咳があったため関空から病院へ送られたが、検査を受ける前に逃げた。USJと京都に行く予定だそうだ。」
↑この情報はweiboでいくつかの垢がアップしていた。半信半疑だが、あり得る話ですね。 pic.twitter.com/B27erAK4JP— fang🏃♀️ (@fangyori) January 23, 2020
「USJと京都」デマの疑うべきポイント
この「USJと京都」デマの、疑わしいポイント、疑うべきポイントはどこだったのか。
それは単に、情報の出所の信頼性の無さにつきると思います。
- 報道ではなくSNSの書き込みがソースとなっている
- 日本国内の話題であるにも関わらず、中国での書き込みがソースとされている
この2つをかけあわせると、信頼度の低い情報である、と感じられます。
報道機関が報じていない、という時点で、少なくともその時点で情報の信頼度は低い、と考えられます。
このデマは、少し考えてみれば怪しいと気付きやすいもの。
これは気づいておきたいところですね。
「USJと京都」デマに対する反応
この「USJと京都」デマは、拡散こそされたものの、流石に信憑性が乏しく、デマの可能性を疑う声も見られました。
「USJと京都に行きたいから病院から脱走した」って話が話題になってるけど
・情報源がWeiboらしいが、何故中国人が知ってるのか
(日本で起きた出来事だし、まず病院まで行ってる時点で殆どの一般人に逃走を見られてないはず)
・何故脱走理由を知ってるのか(知り合いならすぐ戻るよう言え)
怪しい🤔— 方山@プレミアハンター (@katayama0220) January 24, 2020
USJと京都に行きたいから脱走ってデマに踊らされてる人多過ぎる…
少しは自分でいろんな所の情報源から調べてみようよ…— 荒くれ者 (@8MZ8nVRNawCe1yy) January 24, 2020
一方、やっぱり信じてしまう人のツイートも多く発信されました。
京都民として、とても心配&不安です。
結構観光地に近いところに住んでいるので、家出るのが怖いです。
学校もばりばり観光地のところなので怖いです。
あのー。政府は何をしてるんでしょうか?
日本での犠牲者or中国マネー どちらが大切なんですか?😊#USJと京都 #バイオテロ pic.twitter.com/W7hFecgqY8— 久保あやか (@yamadaA1119) January 24, 2020
【#武漢肺炎】
いやぁぁぁ~!😱
武漢から到着した中国人が熱と咳があって関空から病院へ送られたのに逃げてUSJと京都に行く!?
関西圏の方は気をつけて!!
でもこれ以外にも、もっと逃げ込む中国人観光客は多そう…😭 https://t.co/h8ufQPkROK
— NEKO😺😷 (@usapepe) January 23, 2020
「USJと京都」デマに対するファクトチェックの動き
このデマはほどなくして、いくつかの報道機関から「デマ」であると断言されます。
中国から関西空港へ入国した武漢の観光客から、咳と熱を検知し、病院へ搬送したものの検査前に逃げた。理由はUSJと京都へ遊びに行きたいから。
これデマなので、お気をつけください。厚生労働省関西空港検疫所が全面的に否定しています。https://t.co/kGy2Xwb6Xy
— 瀬谷 健介 @BuzzFeed (@dondon_01) January 24, 2020
「関空入りした新型肺炎患者が逃げ、USJと京都へ」といった誤情報がSNS上で拡散しています。感染症はデマが広がりやすいので注意が必要です。関空で取材を続ける鶴見記者の記事。#新型肺炎 #新型コロナウイルスhttps://t.co/94c2AEguXt
— 毎日新聞大阪社会部 (@oshakaibu) January 24, 2020
スポンサーリンク
「福岡終了のお知らせ」デマ
1/29には、明確にデマとして拡散させているわけではないものの、ミスリードを誘う書き方が意図的にされている情報が拡散されます。
以前、以下のエントリーで「フェイクリンク」と呼んだタイプのデマです。
それがこちら。
【悲報】福岡終了のお知らせ#拡散希望 pic.twitter.com/xJYpQYaDd7
— 【速報】 (@TakasimaAkihide) January 29, 2020
約4600人の中国人観光客が、博多港にやってきた、というような内容のニュース画像と思しきもの。
そして添えられている「【悲報】福岡終了のお知らせ」の文言。
「福岡終了のお知らせ」はなぜ悪質なのか
このツイート自体には、直接「コロナウィルス」や「新型肺炎」というような記載はありません。
しかし、これだけ新型コロナウィルスが騒がれているタイミングでこの画像を流せば、新型コロナウィルスと関連づけて受け取られる、ということは容易に想像できます。
そしておそらくこのツイートは、それを意図している。
しかし、この画像と「福岡終了」という発言しかないため、ツイートした人は言い逃れすることができる。
それだけこのツイートは悪質であると言えます。
仮に、本当に新型コロナウィルスをめぐる問題を意図していないとしても、この画像を、今この出し方をすること自体が意味を持ちうる、という視点が抜けているツイートと言えるでしょう。
「福岡終了」に対する反応
福岡市長がこのツイートに対して、以下のようにコメントしています。
ん?昨日拡散されてたツイートの添付画像がいつのものか分かりませんが、昨日クルーズ船は来てないし、当面は全部キャンセルの見込みです。
2月2日と3日に入港しますが、今沖縄にいる船が調整でお客を乗せずに乗務員のみで入港するものです。
災害時同様、必要以上に不安を煽る情報に注意しましょう。 pic.twitter.com/qtkolXNk72— 高島宗一郎 (@so_takashima) January 29, 2020
この市長のツイートが多く拡散されたため、「福岡終了」のツイート自体は、ミスリードを誘うものである、と認識する人も多い様子。
↓この様にデマが拡がっています。
福岡市長の話し、ちゃんと聞こう!※デマ情報→《【悲報】福岡終了のお知らせ#拡散希望 pic.twitter.com/GTCmGalGJ4》
※福岡市長の話▽ https://t.co/NZsoMaKFja
— 名張弖胡 (@nabari_teu) January 30, 2020
【悲報】福岡終了のお知らせ
とあるネットの記事によればコロナウィルスが発見されたとされるのは2019年12月8日だそうだ
2枚目の画像は1月1日時点での来航予定表 pic.twitter.com/hMSnyzqP5S— 桜和 (@ouka10101) January 30, 2020
一方で、やはり新型コロナウィルス関連づけて、事実と認識してしまう人も一定数いる状況です。
中国人観光客が来ましたよー!ってだけのニュースで福岡終了になるってコロナ影響デカすぎでしょ😂😂😂 https://t.co/KN3ZEKZJL5
— NantisChamprin (@Duotami) January 29, 2020
中国からの輸入がなくなり、トイレットペーパーが品薄に、はデマ
マスクに続いて、トイレットペーパーが品薄になる、というデマが流れました。
デマであると分かったものの、これを受けて多くの人がトイレットペーパーの買い溜めに走り、一時店頭から在庫が消えるという事態にも発展。。
詳しくは以下にまとめていますので、ご覧ください。
【デマ】トイレットペーパーが品薄とのデマが流れ、店頭から在庫が消える事態に発展【落ち着こう】
スポンサーリンク
不安であるからこそ、情報の受け取り方には注意が必要
今回の新型コロナウィルスについては、海外から渡ってくる未知の病原体、パンデミック、という不安になってしまう要素が非常に多く、デマ・フェイクニュースが流れやすい状況になっています。
しかし、不安な内容だからこそ、デマ・フェイクニュースには注視して、正しい情報を受け取り、正しい対策をする必要があります。
↓のような、災害時だけでなく、今回のような状況も同様で、デマやフェイクが多く流れる。そこまででなくとも、感情先行のヘイトに近いツイートも増えてるように感じる。
無論、議論も批判も大事だが、問題が問題だけに、尚の事冷静さを書いてはいけないと思う。
https://t.co/cSWSffBXpI— 駒鳥@リテラシーエンジニア (@5er1n) January 29, 2020
たとえリツイートだけであっても、デマやフェイクニュースの拡散は、必要以上に人の不安を煽り、正常な判断の妨げとなってしまいます。
また、正しい情報、本来届かなければならない情報を埋もれさせてしまうことにもつながります。
発信、リツイートする前に、その情報の発信源は、信頼に値するものであるかどうかや、事実であるかどうかを少し確認するようにしてみましょう。
もし正しい情報か分からなければ、何も発言しない、ということも大切です。
新型コロナウィルスはまだまだ感染拡大となる可能性もあり、決して楽観はできないと思われます。
そのため、こうした状況の人々の不安に乗じて、新たなデマ・フェイクニュースが拡散される可能性もあります。
一人一人が、情報の取り扱いに細心の注意を払いたいですね。
それでは。
スポンサーリンク
コメント