阪急電鉄の「やりがい搾取」広告はどこがまずかったのか
駒鳥です。
先日、阪急電鉄の中吊り広告が「やりがい搾取」だと話題になっていました。
月50万で生甲斐のない生活か30万で楽しい生活…阪急電鉄の広告にツッコミ相次ぐ https://t.co/dr7lSWmNow pic.twitter.com/59YNfx8LPe
— ジャストニュース (@just_newsmedia) 2019年6月10日
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阪急電鉄の「やりがい搾取」広告とは
話題になった阪急電鉄の吊り広告、内容は以下の通り。
毎月の50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか
ほぼ一日中、ツイッターを賑わせていた様子で、夕方には阪急側も対応を決定しました。
#阪急電鉄 の中づり広告が批判を呼んでいます。働く人への啓蒙メッセージを掲載したものですが、「時代にそぐわない」「不愉快だ」といった声が多く寄せられ、 #阪急電鉄 は10日で広告をとりやめることを決めました。https://t.co/gmAXZzLP1E
— 毎日新聞 (@mainichi) 2019年6月10日
最終的に、広告は取り下げられることになりました。
今回、この広告がどうして生まれたのか、そしてこの広告の何が問題だったのかを考えてみよう、と思ったのです。
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どのようにこの広告が生まれたのかを予想する
本来このキャッチコピーは、
「仕事のやりがいって大事だよね、弊社はやりがいある職場だよ」
ということが言いたかったんだろうと思います。
でも当然、これだと引きは弱い。
「弊社はやりがいがあります」
と言って真に受ける人がどれだけいるか。
たった一枚の吊り広告ですし、具体的なやりがいポイントを説明するより、超シンプルなものでやりがいを伝える形にしたい。
そこで、やりがいのある仕事(自社)とやりがいのない仕事を比較する表現を使うことにした。
さらに比較対象として選ばれたのが、「毎月の50万円もらって毎日生き甲斐のない生活」なのではないか。
つまり50万円とか30万円という数字は、あくまで仕事にやりがいがあるということを強調するために使われた材料なんじゃないかと思うのです。
でも、この数字が30万円と20万円、みたいな数字にしてしまうと、「阪急電鉄ってお給料低いのね」という評価につながりかねない。
だからやや大きめの数字である50万円と30万円という数字が選ばれたのではないか、と予想します。
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「やりがい搾取」広告は、何が問題だったのか
僕の予想は、当たらずとも遠からずなのではないか、、と思います。
ただ阪急電鉄の1番の問題は、
結局出来上がったこの文章が、給与とやりがいをトレードオフにしてしまっている
ということに気づけなかった、もしくは気づいていても問題視しなかった(できなかった)所にある、と思います。
つまりこの吊り広告では、給与とやりがいが比例するような表現になってしまっている。
給与が少ないとやりがいがあり、給与が多いとやりがいがなくなるかのような表現。
これが、いわゆる「やりがい搾取」と言われるポイントになってしまっています。
お給料が少ないけどやりがいはあるからうちに来てください、という文章に見えてくるわけです。
ちなみにもうひとつ、この表現でミスだなーと思うのは、比較する低い方のお給料が30万円と、ちょっと大きめの数字になってしまっている点ですね。
「そもそも30万円もないよ、、」という声も多く見られ、批判が集まったポイントでもありましたね。
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給与と「やりがい」はトレードオフではない
最後に。
給与とやりがいってトレードオフではない、と思うんです。
本来ならこれらは別の軸として考えるべきものですよね。
給与は最終的にはわかりやすい数字として現れます。
しかしやりがいや、例えば残業時間であったり、会社と個人のマッチ度合い、業務内容や人間関係と、様々な要素が影響します。
もちろん給与もやりがいに大きな影響を与えます。
もっとも、阪急電鉄の広告とは逆で、お給料が多いからこそやりがいにつながるパターンの方が多そうですが。
色々な要素のバランスを見ながら、自分自身に本当に合った仕事を探すのが一番なんだと思います。
それでは。
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